クロニック・デジャブ【慢性既視感】　感性と知性のゆらめき

ヘミングウェイの短編小説に「何を見ても何かを思い出す」という眩暈を覚えるほど魅力的なタイトルの作品があります。ただし、作品自体は驚くほどつまらないものでした。
そんな遭遇と惜別を同時に味わったような収まりの悪い出来事以降、そのタイトルに見合う何かの作品、あるいは作品ではない何かを、心の何処かでいつも探し続けています。

「クロニック・デジャブ（Chronic dejavu）」とは、
「慢性的な既視感」と言われるもので、
つねに頻繁に既視感を覚えることであり、過去と現在の混乱、そして更に進んでついに虚構と現実までも混同するような状態とも言い得るでしょう。

すなわち「何を見ても、何かを思い出したように思え、それは思い出したのか元から無かったのかさえわからなくなる事」と言えそうです。

このクラブでは、
確からしいことと不確かなことの「揺らめき」を、知的に感性的に、楽しむ話をしたいと思います。
衒学趣味の話、繊細な感性の話、些細な感覚の話、知的トピックの話、好奇心の飛翔、探究心の跳躍などなど、

議論して話し込むのではなく、
話のタネを携えて、持ち寄って、持ち帰る、
そういう半虚構のカゲロウのようなクラブにしたいと思います。

何やらボクは、百物語に近い空間を作りたいのかもしれません。
いつか、すっと消えて、
この場所そのものが誰かのただの未視感となるの、やも…


クラブのメインルームは、まだ未定です。
そもそも辺縁から話が始まったので、中核部はそのまま朦朧にとどめています。
神秘学、古神道の話にまでは近づかないでしょう。

当面、週２回の部屋を開く予定です。（←当初の話。「思惟の渚」が始まって徐々に変更）
よろしければ動向を見守ってくださいませ。